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PROJECTプロジェクト

問題提起力を持った
エースのものづくりで
社会を変えていく

01

ガジェタブル開発プロジェクト

混雑した場所での“前持ち”も想定したリュック、「ガジェタブル」。企画開発段階から取引先も巻き込み、宣伝やPRも連携しながら開発を進めた結果、そのコンセプトと機能性が受け、大成功を収めることになった。

MEMBER

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伊藤雅之
営業本部
生販統括部長

1991年入社。百貨店や専門店の営業やMD担当として長い経験を持ち、市場を知り尽くす。2019年から現在の役職に。

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杉村 浩
営業本部 営業
サブマネージャー

2006年入社。大阪で営業として百貨店を担当し、その後専門店事業部に異動。2015年より東京勤務で専門店営業を担当。

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山崎智子
マーケティング本部
マーケティング部

2005年入社。部のブランディングチームに所属し、広告宣伝や販促、制作といったマーケティングを担当している。

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森川 泉
マーケティング本部
マーケティング部
PR・広報担当

2007年入社。2年間営業を経験した後、マーケティング部へ異動。様々な媒体向けに広報、PR等を担当。

Talk Session #1
新たな価値を生み出すビジネスリュックの開発に挑む

ビジネスバッグの先駆者ブランド「ACE GENE」を集約し、2016年に誕生したバッグ&ラゲージブランド「ace.」では、これまで様々なシリーズが生まれ、支持されてきた。その中でもビジネスバッグ市場では、ここ数年ビジネスリュックの需要が大幅に伸びており、「ace.」ブランドとしての新しいビジネスリュックの創出は、ごく自然な流れともいえた。

営業の杉村は自身の担当する小売店の売り場における、エース商品の展開方法が気になっていた。というのも、商品がシリーズごとではなく、「A4サイズ」「B4サイズ」「容量●リットル以上」といったように単品ごとに切り分けられ、分散して陳列されていることに危機感が募ったからだ。売り場づくりには担当者の様々な意図やテーマがあることはわかるが、この状況では消費者に対する自社商品のアピール力が弱い。「今までと同じやり方で商品提案をしても、こちらの目指すような展開を得意先に採用してもらうことは難しい。商品を集約して展開し、売上を確保できる新しい切り口が必要だ」と、当時直属の上司で商品知識も豊かな伊藤や、デザイナーを巻き込んで意気込みを伝え、新たなビジネスリュック開発に乗り出すことになった。

ビジネスリュックといっても様々だ。市場にも製品にも詳しい伊藤は、単なる良いカバンを作っても、それだけでは売れないことはわかっていた。今の時代は「モノ」と「コト」が連動し、ストーリーがなければ消費者には響かない。そこでアイデアとして出てきたのが、通勤時のマナー問題を解決するビジネスリュックだ。両手が開放されるリュックは、東日本大震災やスマートフォンの普及拡大を機に使用が増えてきた。しかし一方で混雑する電車内では背中に背負ったリュックが邪魔で、トラブルになる事例もよく耳にするようになっていた。そこで生まれたのが「電車内で邪魔になりにくいスマートなビジネスリュック」という、これまでの市場にはなかったコンセプト。エースの企画開発力とノウハウを活かせば、必ず人の注目を浴びる製品が誕生する、伊藤や杉村たちはそう確信した。

Talk Session #2
営業・デザイナー・マーケティングが事業部を越えて力を結集

伊藤たちは商品開発にあたってマーケティングの山崎と森川を集め、この開発の持つ意味を語った。エースの商品開発は部署ごとに担当業務で区切って行う形が多く、市場に出る直前に宣伝やPRの依頼がマーケティングに降りていくことも少なくない。しかし今回生み出そうとしている製品は、社会に対する問題提起力があり、市場を動かすものになり得る。それゆえ、あらかじめマーケティングも連動することが成功につながると考え、プロジェクトとしての招集だった。社会に影響を与える製品だからこそ、メリットや訴求ポイントがわかるよう連携して販促を行い、メディアにもアプローチしていきたいという意図を、山崎や森川も十分理解した。営業やデザイナーの持つ開発意欲が、熱く伝わってくるのがわかった。

こうして始まった開発は、営業コンビの発案に共感したデザイナーが、日頃から電車通勤の傍ら考えていたユーザーとしての視点とアイデアを注ぎ込み、形にしていった。車内で持つことを考えてマチ幅は10cm以下を目指し、スリムボディの中にどのような機能を詰め込み、見た目にも美しいかを考えた。また、持ち方を変えた時の使い方についても検討を重ねた。背負った時、「前持ち」と言われる前に抱える形で肩にかけた時、片方の肩にかけた時は、それぞれ手の届く場所が違うため、ポケット位置を慎重に吟味。また3ウェイで縦にも横にも持てて、かつスマートさを保つにはどうするかなど、形や素材など細かなところまでこだわった。ペットボトルや傘を入れられるサイドファスナーについては、専門店の傘売り場担当者から具体的なサイズなど細かな情報を仕入れ、また随時カバン売り場のバイヤーに要望を聞いては意見を反映していった。

最初から確かなイメージがあったため、デザインは最初の試作からブレはなかった。メインコンパートメントに背面のパソコン収納、前やサイドのポケット、外して収納できるショルダーベルトなど、かゆいところに手が届く「ace.」の新シリーズ「ガジェタブル」はこうして誕生した。

Talk Session #3
ガジェタブルのコンセプトが市場を動かし大ヒットを生む

当初、新シリーズの開発を持ちかけた時にはそこまで乗り気ではなかった小売店のバイヤーだったが、杉村がこまめに要望を聞いて反映させ、先行販売の企画を持ちかけ、特別感を演出することで急遽特集を展開することが決まった。想いや製品力を伝えるには、マーケティングで作成したチラシなどの販促物が役立った。宣伝担当の山崎は、製品紹介のチラシやPOPなどの販促ツールに「電車で邪魔になりにくい」というコンセプトをストレートに打ち出した。森川の担当するPRでは、メディア向けに、社会問題解決の一助となる製品であることをさらに全面に押し出したキャッチーなリリースを作成。「電車内の荷物の持ち方」に関して、世の中の問題意識が高まっていることを背景に、多くの人の共感を得る切り口で表現した。それぞれの持ち場で一貫して「ガジェタブル=問題解決型製品」なのだ、という共通したメッセージを発信していった。

一方で、大都市圏以外の地域や、大都市であっても大阪・京都などの西日本地域では、東京ほどの混雑が電車内で起こる頻度は少ない。そうした地域では「スマートで持ちやすいリュック」として機能性をメインに打ち出した機能訴求タイプの販促メニューも準備し、使い分けた。杉村はもともと大阪を長く主戦場にしていたこともあり、大阪に出向いて営業活動を行うこともあったが、その際はエリアごとの特性に合わせることを心がけつつ、製品のアピールを行った。

こうして小売店で行った先行販売では狙いが当たり、大ヒット。本発売を前に在庫を売り切ってしまうという、嬉しい悲鳴が上がった。その後の本発売でもその小売店の売り上げランキング上位を独占する状況となり、今もその快進撃は続いている。グッドデザイン賞も受賞した。電車で毎日のように「ガジェタブル」を目にするという杉村は、自分の熱意が形になり、嬉しくてたまらない。「周囲の人に同じ熱量を持ってもらうことがいかに大切かわかった」と開発の意義を語る。伊藤も「事業部を飛び越え、横の連携で生み出した効果の大きさは見逃せない」と経営的視点を忘れない。デザイナーも含めた3名の熱意に巻き込まれ、力が入ったというマーケティングの山崎と森川も充実感はひとしおだ。

こうして大きな成果を出した「ガジェタブル」のプロジェクトは、様々な部署が縦横に連携することで、相乗効果を高めた。これまでの形にとらわれないものづくりが、エースに新たな風を吹かせたことは間違いないだろう。