新川柳作記念館 Ryusaku Shinkawa Memorial

ACE

新製品「デボネア」の開発

最高級品として販売されたシルエット

東京五輪を機に、日本が高度経済成長を遂げる中、海外への新婚旅行もこの頃から増え始め、1964年(昭和39年)には年間約16万人を記録します。当時のエース製スーツケース、「サムソナイト・シルエット」は最高級品であり、輸入品より安価とはいえお求めになる方は限られていました。

私はハネムーンにターゲットを絞った、より多くの方々にご使用頂くためには価格を1万円以下に抑えた商品を開発することが不可欠だと強く感じていて、ハイトラー副社長には逐一「日本向けに価格を下げた商品を」と要望を続けました。そして1年が経った1966年(昭和41年)、副社長が来日時に持参された商品こそが「サムソナイト・デボネア」でした。この名称(仏語で優雅)といい、洗練されたデザインはまさにハネムーン用スーツケースにぴったりです。これを見た私はデボネアの製造を即決しました。